品質管理読了時間 12 分
突き返されない 8D 報告書の書き方
8D は書式ではなく、「本当に原因を突き止めたか」を確かめる手順です。欄を埋めるのは簡単で、審査を通るのは難しい。
018 つのステップ
| ステップ | 名称 | 成果物 |
|---|---|---|
| D1 | チーム編成 | 部署横断のメンバーと役割、責任者 |
| D2 | 問題の記述 | 5W2H、不良現象、数量、ロット番号、発生率 |
| D3 | 応急処置 ICA | 出荷済・在庫・仕掛・輸送中の処置と完了時期 |
| D4 | 根本原因 | 発生原因と流出原因、それぞれの検証 |
| D5 | 恒久対策 PCA | 選定した対策と有効性の検証 |
| D6 | 実施と確認 | 導入日、ロット番号、追跡データ |
| D7 | 再発防止 | 標準化:SOP、FMEA、管理計画、検具 |
| D8 | 完了と評価 | 類似工程・類似品番への水平展開 |
02D4:原因は 2 本、1 本ではない
まともな 8D は 2 つの問いに答えます。どちらも省けません。
- 発生原因。なぜその不良が作られたのか。
- 流出原因。作られたのに、なぜ止められなかったのか。
発生原因しか書かない 8D は必ず戻されます。工程を直しても検出の穴は残ったままで、次の別の問題が同じように流出するからです。
なぜを、手が届く層まで問う
| 層 | 例 | 評価 |
|---|---|---|
| 現象 | 寸法が 0.05 mm 超過 | まだ原因ではない |
| 直接原因 | 道具摩耗が限度を超えた | 近づいてきた |
| システム原因 | 道具交換を経験で判断しており、明確な限度がない | 変えられる層 |
| 管理原因 | 作業標準に道具交換基準の定めがない | 根本原因 |
03D5:対策は検証できるものに
恒久対策の質は、それがポカヨケの階層のどこにあるかで決まります。
| 階層 | やり方 | 有効性 |
|---|---|---|
| 1. 排除 | 設計を変え、問題が起こりえないようにする | 最も高い |
| 2. ポカヨケ | 間違えれば組み付かない、機械が動かない | 高 |
| 3. 検出 | 自動で検出しラインを止める | 中 |
| 4. 管理 | SPC で傾向を監視する | 中低 |
| 5. 手順 | SOP、教育、巡回検査の強化 | 最も低い |
04審査側が見る 5 つのこと
- D2 で数量と範囲が明確か。影響ロット、日付範囲、出荷済数量。
- D3 が輸送中の在庫まで網羅しているか。客先、倉庫、仕掛、仕入先まで処置が必要です。
- D4 に原因が 2 本あるか。発生と流出。
- D5 の階層が十分に高いか。教育で止まれば戻されます。
- D7 で文書に戻って直したか。FMEA、管理計画、SOP、検具リストをまとめて更新し、版数と日付を残します。
最後の項目がいちばん抜けます。8D を閉じたあとに FMEA が更新されていなければ、同じ故障モードは次のプロジェクトでもう一度やってきます。