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新版 FMEA は RPN をやめ、AP を採用した
RPN は「厳しさ 9・発生度 1・検出度 1」を 9 点と数え、「厳しさ 1・発生度 3・検出度 3」と同じにします。この 2 つが同じ重みであるはずがありません。
013 つの評点
| 項目 | 何を問うか | 1 点 | 10 点 |
|---|---|---|---|
| 厳しさ S | 故障が起きたときの結果の重大さ | ほとんど影響なし | 安全に関わる、または法規違反。予兆なし |
| 発生度 O | その原因がどれだけ起きるか | ほぼありえない | 非常に高い。継続的に発生 |
| 検出度 D | 現行の管理でどれだけ捕まえられるか | ほぼ確実に止められる | 検出できない、または検査されない |
02RPN の問題点
旧版は RPN = S × O × D で順位づけし、しきい値は 100 か 125 に置くのが一般的でした。問題は 3 つあります。
- 同じ積でも意味が違う。9×2×2=36 と 2×9×2=36 は同点ですが、前者は安全の問題、後者はよくある軽微な外観不良です。
- 不連続である。1000 通りの積のうち相異なる値は 120 しかなく、順位づけで大量に並びます。
- 点数の操作を誘発する。しきい値を下回らせるために D を 7 から 6 にすれば通ってしまう、変わったのは数字であってリスクではありません。
03AP:対応の優先度
AIAG-VDA 2019 版は対応の優先度(Action Priority)を採用し、表を引いて H(高)・M(中)・L(低)を出します。しかもまず S、次に O、最後に D と明確に順序づけています。
| 状況 | AP | 意味 |
|---|---|---|
| S 9-10 かつ O 4-10 | H | 対応が必要。しない場合は理由の記録が必要 |
| S 9-10 かつ O 2-3、D が高い | H | 同上 |
| S 7-8 かつ O 6-10 | H | 優先度は高い |
| 中間的な組み合わせ | M | 対応すべき、または妥当性を記録する |
| S も O も低い | L | 対応しなくてよいが、記録は残す |
H は「必ず L まで下げよ」という意味ではありません。対応するか、対応しない理由を正式に記録するかという意味です。この変更が FMEA を「点数合わせ」から「意味決定」へ戻しました。
047 ステップ法
- 計画と準備。範囲、プロジェクトの境界、参加者を定義する(5T:意図・時期・チーム・作業・ツール)。
- 構造分析。システムを上中下の 3 層(システム/サブシステム/部品または工程)に分解する。
- 機能分析。各層が何をすべきかを、測れる形で定義する。
- 故障分析。故障影響・故障モード・故障原因の因果の連鎖を明らかにする。
- リスク分析。S/O/D を評価し、AP を引く。
- 最適化。H と M に対して行動を挙げ、担当と期限を決め、再評価する。
- 結果の文書化。社内外への伝達と記録。
05FMEA は生きた文書
FMEA のいちばんよくある失敗は、書き方が悪いことではなく、書いたきり二度と更新されないことです。次のいずれも更新の引き金にすべきです。
- 客先クレームまたは社内の重大不良(8D の D7 で FMEA に戻って直すこと)
- 設計変更、材料変更、仕入先の変更
- 工程条件または設備の変更
- 量産初期の実不良率が、当初評価した O と明らかに乖離している