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マシンビジョンが見えるかどうかは、照明で半分決まる

ビジョンがうまく動かないとき、技術者はまずアルゴリズムを疑います。しかし本当の原因はもっと手前にあることが多い、画像の中で、その欠陥がそもそも目立っていないのです。

Wikimedia Commons・Robotic Arm Polishing Guitars at Martin Guitar・CC BY 4.0

01まず計算し、それから見えるかを話す

ビジョン設計の最初の作業は分解能の計算です。式は単純で、1 画素が表す実寸 = 視野幅 ÷ センサの水平画素数

項目問うこと
視野 FOV50 mm見たい範囲
センサ2448 × 2048(500 万画素)カメラの仕様
空間分解能50 ÷ 2448 ≈ 0.020 mm/px1 画素が何 mm に相当するか
検出できる欠陥約 0.06 〜 0.1 mm安定させるには 3 〜 5 画素が必要
測定精度約 0.005 〜 0.01 mmサブピクセル処理で 1/4 〜 1/2 画素
まずこの表を出します。目標の欠陥に届かないと出たなら、アルゴリズムを変えても解決しません。

02照明がすべてを決める

同じワークでも照明を変えれば画像はまったく変わります。選び方の原則は単純で、探したい特徴だけを明るく(または暗く)し、それ以外は均一に保つことです。

照明手段配置得意な対象
透過照明ワークの後ろに光源外形輪郭、貫通穴、欠品
同軸照明ハーフミラー経由でレンズと同軸鏡面のキズ、印字文字
リング照明(高角度)レンズ周囲から斜め下へ表面のテクスチャ、一般外観
ローアングル照明ワーク表面とほぼ平行刻印、凹凸、エッジの欠け
ドーム拡散照明半球内壁の拡散反射曲面や高反射ワークの均一照明
構造化照明縞パターンやラインレーザを投影3 次元の高さ、平面度、体積
透過照明とローアングル照明は最も過小評価されている 2 つです。アルゴリズムの難題を、しきい値の問題に変えてくれます。

波長も変数です

赤は透過性が高い一方、赤い特徴に対してはコントラストが出ません。青は波長が短く散乱が少ないため、微細な特徴や高精度測定に向きます。赤外は一部の樹脂を透過して内部を見せ、紫外は蛍光を励起して接着剤量やコーティングの被覆を確認できます。

03よくある 4 つの用途

  1. 有無判定。部品があるか、向きが合っているか。もっとも単純で安定し、投資対効果も高い用途です。
  2. 寸法測定。輪郭、穴径、間隔。正確なレンズ校正と、再現性のあるワーク位置決めが要ります。
  3. 外観検査。キズ、打痕、汚れ、色差。欠陥の現れ方が多様なため、いちばん難しい。
  4. 文字とコードの読取。OCR、バーコード、DataMatrix。技術は成熟しており、要は照明とコントラストです。

導入はこの順で。まず有無判定から始め、光学・機構・トリガ・データの流れを安定させてから外観検査へ広げます。逆から始めると、たいてい最初の関門で止まり、そのまま立ち消えになります。

04導入前に問う 3 つのこと

  • 欠陥の定義を書き出せますか。現場のベテラン同士で判定が割れるなら、システムも一貫しません。まず人の判定の一貫性を(GR&R のように)試すべきです。
  • ワークの置き方を管理できますか。ビジョンがいちばん苦手なのは位置と姿勢のばらつきです。失敗事例の多くは、ソフトではなく機構に原因があります。
  • 誤判定の代償はそれぞれいくらですか。見逃しと過検出のコストはふつう非対称で、しきい値は安いほうへ寄せるべきです。