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工程能力指数:Cp、Cpk、Ppk はどこが違うのか
「うちの Cpk は 1.5 です」は響きがいい。しかしその工程がまだ統計的管理状態に入っていないなら、その数字はただの計算結果にすぎません。
014 つの指数の違い
| 指数 | どのばらつきを使うか | 偏りを考慮するか | 何に答えるか |
|---|---|---|---|
| Cp | 群内(短期) | 不可 | 工程のばらつきは十分小さいか |
| Cpk | 群内(短期) | 可 | 偏りを差し引いてどれだけ余裕があるか |
| Pp | 全体(長期) | 不可 | ロット間変動を含むばらつき |
| Ppk | 全体(長期) | 可 | 実際に出荷した実力 |
Cp は公差幅と工程分布の幅の比を見るだけで、分布がどこにあるかは問いません。Cpk は平均が規格中心からどれだけずれているかも見ます。だから Cpk は常に Cp 以下になります。
02指数と不良率の対応
| Cpk | 相当するσ水準 | 理論不良率(両側) | 求められる場面 |
|---|---|---|---|
| 1.00 | 3σ | 2700 ppm | 多くの業界ではもう受け入れられない |
| 1.33 | 4σ | 63 ppm | 一般産業の基本的なしきい値 |
| 1.67 | 5σ | 0.57 ppm | 自動車、重要特性 |
| 2.00 | 6σ | 0.002 ppm | シックスシグマの目標 |
注意点すべき点。これらの不良率は理論値で、データが正規分布に従うことが前提です。真円度・振れ・平行度のように片側に物理的な下限がある特性は本質的に正規分布ではなく、そのまま当てはめると不良率を大きく過小評価します。
03前提:工程が統計的管理状態にあること
いちばん飛ばされやすい段階です。工程能力指数が表すのは安定した工程の能力です。工程がまだドリフトしていたり異常原因が残っていれば、算出した Cpk は過去の一区間を説明するだけで、未来を予測しません。
どう確認するか
- まず管理図(X̄-R または X̄-s)を描き、管理限界を外れる点がないことを確認する。
- 非ランダムなパターンを探す。7 点連続で片側、7 点連続の傾向、周期的な上下、中心線に張り付くデータ(群分けが不適切なことが多い)。
- ばらつきの要因が特定され管理されているかを確認する。道具交換、材料切替、シフト交代、温度。
- 以上がすべて成り立ってから、能力指数を計算します。
04サンプルは何個必要か
サンプルが少なければ、指数の信頼区間は非常に広くなります。一般的には 5 個ずつ 25 群(125 個)以上を、ロット間変動を捉えられるだけの期間にわたって取ります。
| サンプル数 n | Cpk 点推定 1.33 の 95% 信頼下限 | 問うこと |
|---|---|---|
| 30 | 約 1.02 | 区間が広すぎて判断を誤りやすい |
| 50 | 約 1.10 | まだ広い |
| 100 | 約 1.18 | 許容できる |
| 200 | 約 1.23 | より信頼できる |
05源流に戻る:データはどこから来るか
以上のすべては、合否の判定だけでなく実測値そのものがあることを前提にしています。多くの工場は大量に検査していながら、帳票にはチェックしか残していません。そのデータでは能力指数は一切計算できず、工程が中心にあるのか公差の縁に張り付いているのかも見えません。
2 つめの前提は規格そのものが正しいことです。検査表の公差が図面から手で書き写されたものなら、写し間違えた項目の Cpk は無意味です。しかも、たいてい「とても良い」ほうへ無意味になります。