生産管理読了時間 11 分
7 つのムダを、自分の工場でどう見つけるか
ムダが消えにくいのは、その多くが働いているように見えるからです。
017 つのムダ
| ムダ | 加工工場での姿 | 測る指標 |
|---|---|---|
| 運搬 | 仕掛品が工場内を 3 往復して、ようやく次工程に着く | 移動距離、運搬回数 |
| 在庫 | 仕掛が通路に積まれ、完成品が 2 年寝ている | 仕掛金額、在庫の滞留日数分布 |
| 動作 | 作業者が毎回、反対側まで測定具を取りに歩く | 作業者の歩行距離、取り出し時間 |
| 手待ち | 図面待ち、材料待ち、検査待ち、上長の承認待ち | 手待ち工数の比率 |
| 作りすぎ | ロットを揃えるために 50 個多く作る | 投入数 ÷ 受注数 |
| 加工しすぎ | 機能面でもない面まで Ra 0.8 まで磨く | 図面の要求と突き合わせる |
| 不良と手直し | 寸法が外れて削り直す | 不良率、手直し工数 |
02どうやって見つけるか
バリューストリームマップ
代表的な製品 1 つについて、受注から出荷までの流れを描き、各工程の加工数間と待ち時間を書き込みます。最後に付加価値比率=加工数間 ÷ 総リードタイムを出します。
- 改善に手をつけていない加工工場では、この比率はたいてい 0.5〜5% に収まります。
- つまり、時間の 99% は待っているということです。
- 改善の余地はほぼ待ちの側にあり、切削速度の側にはありません。
スパゲッティ線図
工場のレイアウト図に、製品 1 つ(または作業者 1 人)の 1 日の移動経路を書き込みます。線が絡み合えばレイアウトの問題です。最も直感的で、最も安い診断手段です。
現地現物
帳票を見ずに、現場に立って作業サイクルを一巡まるごと見ます。トヨタのやり方は、床に円を描いてその中に 30 分立つこと。帳票に出てこない手待ちや重複動作は、そこに立たなければ見えません。
03対応する道具
| 問題 | 道具 | 効果 |
|---|---|---|
| 段取りが長く、大ロットにせざるを得ない | SMED(シングル段取り) | 段取り時間は半分以下になることが多い |
| 道具を探すのに時間がかかる | 5S | 動作と手待ちのムダ |
| 仕掛が多すぎる | 引っ張り生産/かんばん | 在庫とリードタイム |
| 不良が次工程へ流れる | 自働化、ポカヨケ | 不良と手直し |
| レイアウトが運搬を生む | セル生産 | 運搬と手待ち |
| 同じ問題が繰り返し起きる | 5 Why、A3 | 根本原因が解けていない |
SMED の要点は、段取り作業を「内段取り」(機械を止める必要がある)と「外段取り」(動かしたままできる)に分け、外に出せるものをすべて出してから、残った内段取りを簡素化することです。最初の一歩だけで、たいてい時間は半分になります。
04よくある落とし穴
- 設備稼働率を追う。ボトルネック以外を満杯に回せば、仕掛が増えるだけです。生産計画を参照してください。
- 写真映えのための 5S。整理整頓は見事でも工程は変わらず、3 か月後には元どおりになります。
- 一気に全社展開する。1 ラインをモデルにして成果を出し、それから広げるほうが、全工場同時よりはるかに成功率が高い。
- 改善をコスト削減とみなす。目的はリードタイムの短縮です。コストが下がるのは結果であって、手段ではありません。